頭の中で、すでに終わった過去の出来事を思い出し、そこにまつわるストーリーを繰り返し映写機のように頭の中で映し出して、悲しい、つらい体験をなん度も体感することを、反芻思考(はんすうしこう)と言います。
もちろん、生きていたら誰にでも、つらい体験や、もしかしたらトラウマになっていまいかねない苦しい状況は起こりうるし、そんな中瞬時に立ち直れる人というのはいません。
悲しみは、時間をかけて感じ、癒す感情です。
そして、これらの悲しみはきちんと感じて向き合うことで、長く時間が経ったのちに、それを乗り越えた自分、そこから何か気づきを得られた自分を見出して、
自分を成長させてくれた出来事
という解釈に変換することが出来るようになります。
そう、最終的にそのことを「人生の味わいを深めてくれるマイナスの出来事」にしていけるかどうかは、あなたがどれだけその時の自分の感情や心の動きと向き合えるか次第、ということになります。
それに対して、先ほどの反芻思考というのは、日々起こりうるちょっとした行き違いや誤解から起こりうることや、「なぜだろう?」と考えてもわからない出来事を
繰り返し思い出して分析し、そこまでならまだいいのですが、「きっとこうだったに違いない」と仮説を立てるところまでやってしまう。
そして、その立てた仮説を証明しようとする出来事をみずから探し始めて、不幸の連鎖反応の中に止まり続けてしまうという状態。
これは、「アンテナを立てたらそこに意識を向け続ける」という、脳の性質に基づくネガティブな思考の癖です。
この場合は、先ほどの「人生の味わいを深めてくれるマイナスの出来事」とは違い、その出来事に意識を向け続ける時間が長いほど、あなたが得られるものはマイナス以外に何もないという結果に終わってしまうのです。
そして、過去の私を含め多くの人は、このようなことをそれこそ毎日、頻繁にやっていることで、このような脳の癖を強めるだけでなく、たくさんのものを失っていることに気づかないまま時間を過ごしてしまっています。
自分が体験するべき悲しみと、そうでないものを見分けよう
先ほどお伝えした「人生の味わいを深めてくれるマイナスの出来事」というのは、あなたの人生の中で重要な出来事であるし、感情を揺さぶられ、価値観をゆるがしてくるような感覚もあるもの。
あなたにとって、逃げてはいけない、しっかり向き合うべき体験なので、つらくても自分自身と、そこで関わる人たちと向き合う必要があるものです。
たとえば、パートナーとの別れや、親の老後介護や見送りなど。
「人間関係は鏡」という側面があるのは本当で、このような近い人たちとの関係の中で体験する出来事は、あなた自身のこれまでのあり方や考え方、自分自身との関わり方が反映されやすいものです。
だから、逃げてしまうと心により深い影としてマイナスの感情を自分自身の中に残してしまいかねません。
だから、このような出来事について安易に「プラスに考えよう」などと考えるのは違うと思うし、実際できるはずはないのです。
この場合まずは、しっかりと向き合い、受け止め、感じ、癒すことが大切だと私は思います。
そしてもちろん、その後で、時間が経ってから場合によっては、解釈をプラスに転換させることは可能かなと思います。
そのいっぽうで、感じなくてもいい悲しみや怒り、というのもありますね。
それは、先ほどの例でいうなら、ひとことで言えば「考えても仕方がないこと」であり、「理解しようと思ってもどうしようもないこと」です。
だいたいにおいて、日々の小さな行き違いや誤解から生まれる不快な出来事であったり、アクシデント的なことだったり、あとは、世の中の動きとして避けられないことなど。
要は、「自分の力ではどうしようもできないことや、変えられないこと」を指します。
例えば、職場の上司が性格が悪くてどうも好きになれない人だとします。
毎日この人の嫌なところが目について、ストレスを感じているとしても、あなたはこの上司の性格を変えることも、職場の役割や状況を変えることもできないわけです。
それなのに、あの人はなぜ、こういうことをしたり言ったりするのだろう?と考えたところで最終的には上司を変えることはできないから不毛というだけでなく、
あなた自身の脳がそのことにますます反応して上司の嫌なところを毎日探し始め、「嫌なやつだ、私にとってストレスだ」ということを証明しようとしてしまうのです。
これが、ぐるぐる思考の苦しい生き地獄を生み出すしくみです。
そして、ここで大事なことは、
あなたの人生において、上司の性格とか彼の言動はそれほど重要なことですか?
ということをよくよく考えてみる必要があるということです!
ここがしっかり見極めて線引きできるようになると、同じ状況であっても、まったく違う意識と視点で対処すれば、違う展開になっていく、ということも起こりうるので、まさにこれは
あなたにとって、避けようと思えば避けられるつらい状況
だということ。
このように、感じて向き合うべき「つらい状況」と、できるだけ意識と視点を変えることで、みずから生き地獄に入らないようにしていくべき「つらい状況」があるのだということを、私たちはまず、知って、理解して対処する必要があります。
○○だから✖️✖️(マイナスの言葉)を○○だから◎◎(プラスの言葉)に!
さて、では「あなたにとって、避けようと思えば避けられるつらい状況」をどうしたらプラスに転換できるか?ですが
まずは、深く考えず、上のサブタイトルのように言葉の転換から始めてみることをお勧めします。
たとえば、先ほどの上司の例。
「上司の性格が悪いから、私は気持ちよく働けないし評価も低い。・・・・(まだまだ続くマイナスの要素)」
↓
「上司の性格が悪いから、私は自分の心を鍛えることができる/職場の他の人たちとの関係を強固にすることができた/本気で転職しようという気持ちになって行動を起こせた/もっともっと自分に優しくしようと心から思えた・・・・(まだまだ続くプラスの要素)」
というように、言葉によって視点の転換をアウトプットしていくのです。
必ずしも心ではそうは思えないとしても(だいたいにおいて、思えないですよね!)、まずは言葉に出すことで、それだけでも脳がそこに意識を向け始め・・・・
本当にその言葉のとおりだということを、証明しようと働き出します🎉
だから、言語化によるアウトプットは大事だし、その効果は大きいのです。
そして・・・
毎日このように考えることを癖づけていくと、あなたの人生はどうなるでしょうか?
そうです〜、どんなことにも感謝して、プラスの視点で物事を見るだけでなく、
プラスの視点で見て決めたことを証明し、実現しようとする脳の働きにより、
必要な情報を見つけ出し、良い人間関係を引き寄せ、その結果行動しやすい意識と状況をつくっていくことになり、
最終的には、行動によって人生が変わっていく
ということにつながっていきます。
まとめ
人生に良くないことが起き続けるとか、何かやろうと思っても必ずできない理由が浮上してくるとか、
もっと良くない状況だと、自分の心と体が本当に不調となってしまって、何もやる気になれないし、やりたくても行動できる状態ではない、というような状況にいる方って多いですね。
私もかつてそうでした。
そして、過去の私も、このような負の連鎖を断ち切るいちばん重要なものは自分自身の意識の向け方
だということにまったく気づいていませんでした。
ですが、良くないことが立て続けに起こるという場合には、まず見てほしいのはあなたがどこに意識をフォーカスしているのか?ということなのです。
もちろん、先にも書いた通り、避けられない悲しい出来事やつらい出来事は起こるし、多くのことはコントロールできないところで起こっています。
でもだからこそ、私たちは「決める」必要があります。
それは、何を体験して、何に意識を向け、どこにエネルギーを注いでいくのか?ということ。
悲しみもつらい体験も、最終的には自分の人生を彩り、味わい深いものにしてくれるものだった。それによって私は成長できた。
そう思いたいのであれば、あなたは選ぶ必要があります。
何を体験したいのか?
そして、実はもうすでに、選んでいるということが真実になります。
つまり、あなたが選んで意識を向けていることが、人生の中で鮮明な色彩を帯びて居座り続けるということ。
〜だからできません、と人はよく言うし、その3代理由と言われるものが、お金、時間、自信の3つです。
ですがいっぽうで、やりたいことをやりたい時にやり、夢を叶えている人というのは、まったく逆の発想でいるといことに気づいた時、私は衝撃を受けました。
そう、彼らは
「お金、時間、自信がないから」それを変えたいから!
何かを決断して行動し、夢を叶えているのです。
あなたにとってのマイナスをプラスに変える。
それができると信じられた時、あなたの人生はものすごい勢いで変わっていくでしょう💐
一緒に可能性を信じて、視点を変えていきましょう❣️