現在、私はビジネスだけでなく、豊かに生きる上で大切な心のあり方が学べるコミュニティーに入っています。
メンバーの方々は、皆さん何かしらのサービス提供を行なっている人たちばかりですが、その中で、皆が口をそろえて「関わるのを避けたい」と同意するタイプのお客様がいます。
それは、通称「くれくれマインド」で生きている人。
どんな人かというと、簡単に言えば、
得はしたいけど、損はしたくない
この考え方が強い人たちです。
たとえば、「無料」または「タダ同然」のサービスには飛びつくけれど、そうではない正規価格の商品は絶対に買わない。
目に見えない価値としての情報を上記のようにタダ同然で求めながら、その情報に付加価値を乗せた、サービスを提供する側からしたら渾身の、本命サービスに対しては、「目に見えないものにはお金を払いたくない」と言う。
そして、こういう人に限って、何かとサービスに対する不満を伝えてきたりする、いわゆるクレーマーが多いのも特徴だったりします。
もちろん、損はしたくないし、騙されたくない、というのは皆に共通の人間心理です。
なので、マーケティングなどでは、この心理を理解した上で、いかに「損をさせないか」という売り手としてのマインドセットだったり、サービス提供のしかたを学ぶのは前提になります。
だからこそ信頼してもらえるように、ビジネス以前にまずは人として、愛と感謝をもって生きることが大切で、またそのような人が成功する、と言うことも、今の時代は長い目で見ると真実だったりします。
そして、残念ながら、世の中にはそうではない、儲けよう、搾取しよう、というあり方でビジネスをしている人が多くいることも事実なので、そのように警戒心をもってしまう人が一定数いることもことも仕方無い部分はあります。
こういったことを前提とした上で、なのですが・・・・
やっぱり、くれくれマインドの人は、とっても残念な人たちです。
その1番の理由は、
本当の価値を受け取ることができないからです。
本物の価値がわかる人とそうでない人
くれくれマインドで生きている人たちにとっての価値とは、「得すること」であって、それが本物かどうかはどうでもいいことだったりします。
例えば、100円払って500円のお菓子をゲットできた。
そこに価値を感じるので、たとえば、同じお菓子メーカーが同じ商品の正規価値を500円として販売するととたんに価値がなくなります。
そのメーカーにとっては、キャンペーンで特別に100円で販売していたので、その味と良さをわかってくれた人には、正規価格の500円で買ってもらいたいのです。
なぜならそこには、その価値を提供するだけのコストがかかっているからです。
500円のお菓子って、スーパーやコンビニで陳列されているものとは明らかに違うものである必要があるのでしょうが、イメージとしては、ちょっと高級な、でもゴディバとかのブランドまではいかないイメージのお菓子ですね。
でも、もしかしたら、ブランド価格差し引いたら、ゴディバとも引けを取らない美味しいもので、メーカーも自信をもって売り出しているものかもしれません。
とにかく、今のは単純な例なのですが、くれくれマインドの人にとっては、「価値」の本質がわかっていません。
そして、なんでも、そこについた値段を見て、高いか安いかを判断しています。
反対に、お金持ちマインドの特徴として、本当に価値あるものに惜しみなく対価を払う、ということはよく言われることです。
私はイタリアにいた時に、たくさんの「豊かな人たち」とお友達になりました。
その中で、今も仲良くしてもらっている、素敵なドイツ人カップルの2人がいます。
あるクリスマスが近い冬、私は彼らのお家に招待して頂き、1週間滞在させてもらいました。
本物のもみの木を家に運んで、皆でクリスマスツリーの飾り付けをしたり、奥さんが作る美味しいお料理や、夜に皆で映画を見たり、音楽を聴いたりしながら、ワイン片手に語り合った時間は、私にとっては宝箱に入れて一生大事にしたい思い出です✨❤️
そんな彼らがある夜、ロシアのバレエ団のコンサートの観劇に連れて行ってくれました。
チケットは事前に手配してくれていて、私はその値段を知りませんでした。
当日、その舞台のあるデュッセルドルフまで車を走らせて、出かけていきました。
白鳥の湖の舞台が始まり、見ていたのですが、休憩になると、ご主人の方が私に、「この舞台、どう思う?」と聞いてきます。
私はバレエの観劇自体がほぼ初めてでしたので、「とっても素敵!」と返したのですが、聞いてみると、2人にとっては良くないパフォーマンスだったそうで(その理由は説明してくれましたが、私には経験不足で説明できません💧)、彼らの提案は、
「家に帰って、映画でも見ない?」笑
とのこと。
白鳥の湖を何回も見ている彼らだからこその判断なのと、またきっと、私にも意見を聞いてきたのは、もっと良いもので楽しんでもらいたい、そういう気持ちもあったからなのではないかと思います。
私は映画の提案もとっても魅力的だったのと、バレエは正直よくわからなかったので快諾しました。
彼らにとって、大切なのはバレエのパフォーマンスと、それを堪能する時間なので、チケットの値段は重要なことではないから、このような展開になったのです。
もしも、チケット代をもったいないと思っていたら、このような提案はしてこなかったでしょう。
チケットの値段は、いまだにわかっていないのですが、恐らく、少なく見積もっても3人分ですので200〜300ユーロはしたのではないかと思っています。
実際、舞台となった会場はそれなりに大きくて、たくさんの人たちでひしめき合っていました。
そして。。。。
この夫婦とはその後も何度か食事をしたり、旅行をしたりしているので彼らの価値観がわかるのですが、本当に価値のあるものに対してはお金を惜しまず、人にもご馳走したり、プレゼントしたり、本当に素敵なカップルなんです。
もちろん、ご主人はお医者さまで、ご婦人はドイツでも有名なナース。このように立派な職業についているので、裕福だというのもあります。
ですが、若い頃はお金がなくて苦労したという話もたまにしてくれたので、ずっとそうだったわけではないのです。
本当に価値があるものを大切にし、そこに心からの対価を払う。
そうでないものに対しては、お金ではなく、時間や心地よさ、満足感というものを犠牲にせず、潔く切り捨てていく。
この2人はそういう人たちなので、いつも豊かで幸せで、そして一緒にいる人を大切にして不快にさせないのです。
だから、彼らは裕福になったのだな、私はそう確信しています。
その一方で、くれくれマインドで生きている人は、人のエネルギーを奪い、疲れさせ、サービス提供側も嫌な気持ちになることがしばしばあります。
だから、なるべく関わらないようにして、お客様を選ぶということも、最近のビジネスの流儀としてはよくあることではないかと思っています。
そしてもちろん、ビジネス関係なくても、このようなマインドで生きていると、いつも頭の中が損をするか、得をするか、つまり自分のことだけなので、周りの人のことが見えていないという意味で、残念なのではないかと私は思っています。
まとめ
価値を提供する側も、受け取る側も、実はどちらも対等で同じレベルのエネルギーで交換し合うのが理想です。
良いものをきちんと「良いもの」として受け取り、気持ちよく対価を払える人は、相手に損をさせない人です。
その逆に、いくらお金を払っていても、その本当の価値を理解しようとせず、不満ばかり抱いて感謝の循環を起こせない人は、エネルギーを奪い、相手に嫌な思いをさせているため、損をさせる人です。
今は情報などはほぼ無料で手に入れることができる時代です。
でもだからこそ、価値あるサービスには情報以外の付加価値が乗ってきていることを理解できる心の眼をもつこと。
付加価値とは、その人が生きてきた中で時間をかけて身につけてきた学びと、その中から人に与えられるもの、届けられるものを生み出して、そこに注がれる思いや情熱、愛情のことです。
もちろん、それを受け取るか受け取らないか、たくさんの選択肢の中から選ぶのはそれぞれの自由です。そして、先ほどの私の友人の例のように、正規に購入して最大限の価値として受け取った上で、そのパフォーマンスを判断するのであれば、それはその人の自由、潔さです。
ですが、いつも無料商品や割引商品ばかりを購入する、というのは、実は得をしているようでいて、長い目で見ると損をしていることを理解しましょう。
なぜなら、いつまでたっても、「商品提供者の本物の価値」のフルパッケージを受け取らないままだからです。