「自己肯定感」という言葉は最近よく耳にしますが、言葉のとおり、自分のことを肯定できる感覚のことです。
自分を肯定できるとは、どんな自分も受け入れていて、価値があると信じられるということ。
あるデータでは、自己肯定感が高い人と低い人の間では、仕事のパフォーマンスや収入に差が出るということがわかっており、創造性にいたっては高い人は低い人の平均3倍も発揮しているとのことです。
そしてこれらの社会的評価だけでなく、人間関係においても、高めることで心地よい関係を築けるのが自己肯定感なのです。
その理由はずばり、人から好かれやすく、また大切にされやすくなるからです。
自己肯定感が高い人、というのは言い換えれば自分のことが大好きな人。でもここで大切なのは、人と比較してすごい自分であったり、または学歴や肩書、持ち物などで高めたものは本物の自己肯定感ではないこと。
そのすごさが証明できなくなったときに、価値が無いように感じてしまうのはニセモノの自己肯定なのです。
そうではなく、どんな自分も受け入れていて愛せている人、というのは、一緒にいてとても心地よく、良い意味で力が抜けていてリラックスしている雰囲気をまとっていたりします。
そしてこのような人は、ひとことでいうとつきあうのがラクなのです。だから、人から好かれやすくなるし、同じように自己肯定感の高い、幸せな人と繋がりやすくなります。
今日は、そんな自己肯定感の高め方と、高めることでどんな良いことが期待できるか、について書いてみようと思います。
自己肯定感の高め方:あなたを「変えようとしない」人とつきあう
自己肯定感を高めるのに、とても効果的なのがつきあう人を選ぶ、ということです。
自己肯定感が低くなる理由には様々なものがありますが、やはり、幼い頃などに自分には価値がない、というような思い込みをもってしまったことは大きいのではないでしょうか。
そして、人間は、自分が思い込んだとおりの人になっていきますので、人から言われたネガティブな評価などをどこかで受け入れてしまうことで、そのような人間として振る舞ってしまい、ますます自信がなくなっていく、という負のスパイラルに陥ってしまうことになります。
幼い頃ならなおさら、自分のことがまだよくわかっていない時ですので、そして本来であればいくらでも自己肯定感を高められるときでもあるのですが、ネガティブな思い込みをもってしまうと、強い信念にもなりやすいと思います。
大人になってから自己肯定感を高めたいと思うのであれば、あなたのことを否定したり、変えようとしたりしない人とつきあうことが大切です。
逆に言うと、そのような人とは距離を置いた方が良いかもしれません。あなたを変えようとする、というのは、その人には悪気はなくても何かを期待してきたり、それが叶わないと失望したり、怒りを表したりする人も含まれます。
そして理想は、あなたの価値を認めてくれる、褒めたり、ポジティブな言葉を言ってくれる人と親しくすることです。
褒めたりポジティブな言葉を言ってくれなくても、せめてあなたがありのままのあなたでいさせてくれる、つまり放置してくれる人の方が、べたべたして甘えてきたり、心配しているといいながらあれこれ世話を焼いてきたりする人よりも一緒にいてずっと心地よいでしょう。
あなたには自分で考え、感じ、自分の問題を解決していく力があります。その力を発揮させない、または奪ってしまうような人は、一緒にいることで本来もともとあるあなたの内側のパワー、生命力や創造性、能力を発揮できなくなってしまいますので、距離を置いた方がいいのです。
そしてたいてい、このような、人のことに関わろうとして来たり、あるいは自分の問題を背負わせようとするような人というのは、その人も自分の本来の力を信じることができていない、自己肯定感の低い人であることが多いです。
自己肯定感が高まると起きる良いこと
自己肯定感が高い人、というのは、言い換えれば自分で自分の問題を解決していくことができる、その自分の力を信じられる人、ということです。
人間なので、失敗したり、落ち込んだり、元気がなくなるときももちろんあります。でも、そこからの立ち直り方を知っていて、また自分を良い状態に戻すことができるということ。
現実を受け入れるのと同時に、そこから何かを学んで前を向けるということです。
このことを経験として重ねるほど、自分を信じる気持ちも強くすることができます。結果、未知のことに挑戦したり、また、心の声に従ってワクワクする方向に飛び込んでみたり、など恐れの気持ちよりも行動をしていくことで前に進めるようになります。
そしてそのぶん、人生のさまざまな可能性に対してオープンになることができ、たとえ窮地に陥ったとしても、見えてくる選択肢が多く、行動までのスピードも早いので、人生をより良い方向に進めやすくなるのです。
また、人間関係においても、同じように自己肯定感の高い人たちというのはあなたが自分の人生を生きることを心から応援してくれますので、そのような人たちと関わることで安心して人生を進めていくことができます。
自己肯定感が低いときというのは、同じような人といる方がラクだったりするので、同じように自己肯定感の低い人と繋がりがちです。しかしその状態ではお互いの傷をなめ合っているぬるま湯にいるようなものですので、ぜひ勇気を出して、自分で自分を認めて愛せている、自己肯定感の高い人と一緒にいるようにしましょう。
自己肯定感というのは、自分が信じている自分の価値を意味しますので、他人に高めてもらうことはできません。
人から褒められたい、認められたい、愛されたい、と思うとき、まずは自分がそのように自分を受け入れる必要があるということに気づきましょう。
そして、もしも近くに自己否定を繰り返す人がいたなら、あなたができることは、ただその人を見守り受け入れてあげること。そして、あなた自身が自分らしく生きている姿を見せることが大切です。